2015年現在で「MIDI」が衰退の歴史をたどり完全に廃れた現状オワコンの側面と,DTM/DAWに今でも必須な現役の側面の両方をまとめ
音楽制作の重要な用語である「MIDI」は,一部は完全にオワコンだが,一部は今でも現役だ。
- DTM・DAWにいまでも欠かせない「MIDI」といった場合,何を指しているのか?
- MIDIの「どの部分」がオワコンになったのだろうか?
下記にまとめてみた。
- まず,「ハードウェアとしてのMIDI」や,「Web上での配布形態としてのMIDI」は本当に衰退していることに注意しよう。
- しかし「入力手段としてのMIDIキーボード」や,「通信データ・プロトコルとしてのMIDI」は生き残っているのだ。
そこを混同しないように。
- MIDI端子・MIDIケーブル:
- →ほぼオワコン。USB端子・USBケーブルのほうがはるかに高速で大容量を転送できるから。
- MIDIキーボード:
- →現役で使われている。DTM・DAWの重要な道具。鍵盤を演奏するのではなく,音階をステップ入力するためのツール。端子はUSB端子だけだったりする。また,iPhone/iPadなどのスマート機器と連携するものも増えている。
- MIDI信号・MIDIプロトコル:
- →現役で使われている。MIDIキーボードからUSBケーブルの中を流れる信号は,MIDI信号である。シーケンスの転送なんかに便利。というか今でも必須。
- MIDI関連のハードウェア機器:
- →オワコン。もう10年以上,メーカから生産されていない。
- MIDIファイル形式での,ネット上での音楽公開:
- →オワコン。ナローバンド時代には,通信速度が低いのでMIDI形式での音楽公開が貴重な手段だった。しかしその後,着メロの商業的な流行によりJASRACがネット上でのMIDIを取り締まって撲滅した。その間にネット環境は高速化してブロードバンドになり,mp3形式で音楽をかんたんに配布できるようになり,動画投稿サイトも流行して,さらにPCのスペック増加によりMIDIではなくDAWが可能になったため,MIDIは完全に廃れた。
- MIDIアニメ:
- →新たに人気が出てきた動画のジャンルの一つ。音階データをアニメーション表示して楽しむというもの。波形データだけではできない楽しみ方が可能になる。ただしMIDI形式で音楽を直接楽しんでいるわけではない。
年を追うごとにMIDIが衰退している状況のまとめ
2014年の情報:
MIDIの知識が人と人をつなぐ共通言語となる : 藤本健の“DTMステーション”
http://www.dtmstation.com/archives/51...
- 2014年:MIDI30周年を記念して,シンセサイザーやMIDIの歴史を振り返るYoutube動画。ものすごくためになる。
- 「私の場合、クラシックが好きで、そちらの勉強をしながら電子楽器に携わってきたわけですが、別のジャンルの人たちともMIDIを起点にして共通の話がいろいろできます」
DTM初心者のためのMIDIキーボード選び 2014 : 藤本健の“DTMステーション”
http://www.dtmstation.com/archives/51...
- 2014年:MIDIキーボードとは何なのか。
- 鍵盤が弾けなくても, DTMをする上でMIDIキーボードは必須のアイテム。
- 打ち込みをする際にもマウスやPCのキーボードで入力するより絶対的に効率的だから。
- ステップ入力という手法を使うことで、まともに鍵盤が弾けない人でも、便利な入力ツールとして利用できる
- MIDIキーボード、見た目はいかにも鍵盤楽器ですが、実際には音が出ず、MIDI信号だけが出力されるものも多くある
- DTMにおいては多くの場合、音を出す機能は不要で、MIDI信号だけ出力できればいい。
- 最近はMIDI端子をMIDIケーブルで接続して……という使い方は少なくなっている
- というのも、キーボードとPCを接続するのなら, MIDIケーブルを介すより、USBで接続したほうが遥かに使い勝手がいいから。
- 電源はUSBから供給できるし、MIDIよりもUSBのほうが遥かに伝送スピードも速いので入力も出力も1本のケーブルで扱えてしまうから。
- MIDI端子自体を装備していないものも多く、その意味ではMIDIキーボードではなくUSBキーボードと呼ぶべき
- が、USBケーブルの中をMIDI信号が流れるのは事実なので、ここではMIDIキーボード、もしくはUSB-MIDIキーボードと呼ぶ。
- 25鍵とはいえ、オクターブキーというものが用意されており、もっと高い音、もっと低い音を出すことも可能
- フェーダーやツマミ、トランスポートボタン、パッド……といったコントローラ機能を備えたものも
- これらは演奏用というよりも、DAWをリモートコントロールするためのもの。
- iOSでの使用の可否
- 最近のMIDIキーボードはiPhoneやiPadと接続できるものも多くなっている。
MIDIは完全に廃れたのか?復活はありえるか?
http://fox.2ch.net/test/read.cgi/pove...
- 2014年:DTM界では現役だろうが
2013年の情報:
JASRACがMIDI文化をつぶした論について歴史からひも解いてみる | akiraaniの日記 | スラッシュドット・ジャパン
http://slashdot.jp/~akiraani/journal/...
- 2013年:MIDIそのものはゲームミュージックとともに発展してきていたもの
- MIDI音楽作成で食っていたのは, ゲームのほかは着メロや通信カラオケくらい。
- 着メロや通信カラオケも音声データの配信が可能になり、音楽公開の場は動画投稿サイトにうつりました。
- MIDI文化と呼ばれるものは、JASRACの取り締まりがなくとも淘汰される運命にあった。
- 1997年の著作権法改正で送信可能化権が制定され、ネットでの耳コピ作品の公開が違法に。
- i-modoでの商用着メロ配信サービスが登場したのが1999年。
- 音声ファイルを直接DLする着うたサービス(2003〜2004年にかけて登場)にとって代わられるまでの5年ほどの期間が最後のピークだった
- Winnyのβ版が登場した2002年には, ネットの世界でもmp3がデジタル音源のデファクトスタンダードになっていた。
- 趣味のDTM作品は, 2004年に登場するYouTubeなどの動画投稿サイトで手軽に公開出来るようになってからまたネットの表舞台に姿を現し、2007年の初音ミクの登場によって大ブレイク。
- 2008年にはニコニコ動画を皮切りに大手の動画投稿サイトが相次いでJASRACなどの著作権管理事業者との包括契約を結び、アングラだった耳コピ作品の公開も晴れて合法的に出来るようになります。
- 2001年にMIDI狩りが始まってから,2008年に大手投稿サイトが楽曲使用包括契約を結ぶようになるまでの約7年間の間、MIDIは廃れてしまった。
水面さんはTwitterを使っています: "midiが衰退したのはソフトシンセが出てきたからでしょうね。midiだと楽器のリアルさを出すのは手間が掛かるけれど、ソフトだと奏法とかも簡単に設定できるし、視覚的に操作できる。"
https://twitter.com/shinmeitorii/stat...
- midiが衰退したのはソフトシンセが出てきたからでしょうね
DAW速報 : MIDIって古くね?
http://dawsoku.ldblog.jp/archives/269...
- 2013年:MIDI規格自体も古いままで中々更新されてない。
- 古いどころか, MIDI音源はすでに絶滅済だ。
- ピアノの理屈でバイオリンとか人声とかムリあるよな。
- ベロシティが7bitしかない時点で終わってる。
- 符号bit取ると、ベロシティとかのパラメータは7bitしか残らないし、同じく8bit のファミコン並の表現力なのも致し方無い。
- 元々、MSX 8bitパソコンで、しかも外部音源を鳴らす為の規格だからな。
- 確かにWindows標準搭載MIDI音源は音悪すぎ。 10年前の安価な音源にすら遠く遠く及ばない。
- 今でもMidiという通信プロトコル自体は現役どころか必須。
- シーケンスデータはMidiの副産物でありながら、今の楽曲制作には欠かせない。
- Midiは電子楽器同士の通信プロトコルだろが それに音色の配列を規格したのがGM。
- USBだけしかついていないMIDIキーボードも増えてきた
2012年の情報:
JASRAC 断末魔 「音楽が売れない」 法律を変えたら太陽も西から昇るようになるよ^^ | 軍荼利
http://danshi.gundari.info/jasrac%E3%...
- 2012年:割れ物の存在と実際の製品シェアって≒に近い関係にあって、著作権とかばっかり大声で叫んでる会社はデファクトになれてない現実がある。
- アメリカ人ってその辺は現実にアジャストさせるというかさじ加減するのが非常にうまくて、コピー根絶に近い状態に持っていけるはずのAdobeとかMicrosoftみたいなのは対応をほどほどに手を抜いておいて、コピーユーザーがいつか製品購入者に転換するのを待っているフシがある。
- MIDI撲滅、コピーバンドライブ演奏、スナックでカラオケ、街中で曲流す... これら全部カスラックが搾取. これで街中から音楽が消えて行った. 彼らの非寛容さから来た自業自得
hisashi osawa:大澤久さんはTwitterを使っています: "ハードmidi音源がオワコンだというのを知った。でも、僕のパソコンのスペックではソフトシンセだとレイテンシが酷いので音を確認しながら作業をする僕にとっては致命的だったりするのです。楽譜見て音が頭に鳴る人がうらやますぃ。"
https://twitter.com/mannmaru399/statu...
- ハードmidi音源がオワコンだというのを知った
2011年の情報:
時間が止まってるのかと思う最近の(ソフト)MIDI音源事情 - .mjtの日記復帰計画
http://d.hatena.ne.jp/mjt/20110821/p1
- 2011年:General MIDIや単体の音源モジュールは役割を終えた。
- YAMAHAはGM/XG音源モジュールを最近は出していない。
- 驚くべきことに,2000年発売のQY-100が(10年以上たっても)現行機種。
Divaの不思議な世界観 DTM。
http://divagreen.blog110.fc2.com/blog...
- 2011年:Windows PCなら標準搭載でMSGS(Microsoft GS Wavetable SW Synth)というMIDI音源が付いています。
- こいつのせいで「midiは音が悪い」、「midiオワコン」というイメージがライトユーザーにもたれている。
2010年の情報:
最近のスマッシュヒット「MIDIアニメ」 | graygoo
http://graygoo.jp/%E9%9B%91%E8%A8%98/...
- 2010年:MIDIはデータ量が軽いという特長がある。
- だから、ナローバンドだった当時、 手軽にアップロードされたり、ダウンロードされたりしており,音楽鑑賞を楽しめだ。
- そんなMIDIも、時代はMP3、iTunesへと置き換わり 今じゃすっかり影に潜んでしまった…
- と思ったら、一部の界隈で『MIDIアニメ』なる ジャンルが確立されていた。
2009年の情報:
MIDIは衰退したのか: 無情神息
http://pispisman.cocolog-nifty.com/ht...
- 2009年:今では外部音源を使うmidiプレイヤーさえ全滅に近い。
- 廃れたというより、オーディオファイルと併用するようになったから, midiファイル単体での存在意義がなくなった
2008年の情報:
利権に走り文化を衰退させた JASRAC の行為 - elderrisの日記
http://d.hatena.ne.jp/elderris/200801...
- 2008年:JASRAC はそれを許さなかった。今にして思えば彼らは着メロの普及する将来を見据えて手を打ったのでしょう。
- 事実、着メロやそれに続く着うたにより億単位の徴収益を挙げているのですから、簡単に着メロに転用できる MIDI データ、もしくは着メロそのもののデータが無料で公開されることは不都合だったのでしょう。
- だから嘆願の声など一蹴し、容赦なく破壊した。連中は文化の破壊者です。路上で既成曲を演奏しただけで徴収する利権団体なんだから当然ですね。
- この横暴によりどれだけの人がやる気をなくして DTM から去っていったことでしょう。
- 金に目がくらんで文化を破壊し、多くの若い芽を摘んだ JASRAC を許しません。その行為に正義などない。JASRAC は敵です。
2007年の情報:
□会津高等学校電氣部 - Aizu High School Electronics Club
http://www.geocities.jp/kaikoudenkibu...
- 2007年:<MIDIの現状> 間違いなく一部を除いてMIDIは衰退傾向にあります。
- MIDI絶頂期を知っていますか?
- 今から数年前、つまり2002年が最も盛んに 盛り上がっていた時期です。(JASRACが非営利サイトからの徴収を開始する時期)
ラオックスコンピューター館のMIDI機器コーナーが消えた本当の理由 JASRACのMIDI狩りについて 一産業が衰退:内的対話の停止:So-netブログ
http://naitekitaiwanoteisi.blog.so-ne...
- 2007年:ラオックスコンピューター館のMIDI機器コーナーが消えた
2005年の情報:
MIDIの隆盛と衰退について - What will be done tomorrow?
http://d.hatena.ne.jp/naoya2k/2005043...
- 2005年:1990年前半において、MIDI楽器を使って音楽を作らなきゃいけなかった理由ってのは明確
- それはすなわち, PC本体には音楽を作れるようなハードウェアスペックがなくて, 専用機器に頼らざるを得なかったから。
- どうしてMIDIなんか使ってたんだろう? なんて疑問が、今の人からは出てくるかもしれない
- そうしないと音楽が交換できなかったんだからしょうがない。
- MIDIの衰退を語るなら, 間違いなくその理由のうちの最大のものは 「自分の作った音楽をWebページに乗せたいときには, MP3形式で置いておけばとりあえず誰でも聞けるような状況になったから」 ということ。
もはや、MIDIと呼べなくなりそうな、MIDIの現状 | Takayuki Nakamura Diary - 楽天ブログ
http://plaza.rakuten.co.jp/takayukina...
- 2005年:ここ数年、USBの普及により、国内メーカーの電子楽器には、MIDIだけでなくUSBも装備される様になりました。
- USBがあれば、パソコンとの接続にMIDIインターフェイスを必要とせず、しかもMIDIよりも高速にデータ通信を実現しています。
- 私など、もはや低速なMIDIを使っての通信はやめたいと思っていたりします。
2000年ごろの情報:
今後のMIDIを取り巻く音楽制作プロダクションの方向性と将来性に関して
http://www.midilicense.com/member/clu...
- 2000年過ぎごろ:最近ではオーディオとMIDI環境をシームレスに統合した音楽制作ソフトウエアが主流。
- 最近のシンセサイザー、音源モジュール、録音機器にはMIDI端子の他に、USB端子や mLAN端子なども搭載されてきています。
- USBやmLANを使用することにより、 MIDI端子を使用するよりはるかに高速に大容量 のデータを送受信できます。
- ですがMIDIのプロトコルそのものは普遍であることをお忘れなく。
- データの転送と言う観点で見た場合は、MIDI端子よりもUSB、mLAN等が圧倒的 に有利です。
- しかしあくまでもMIDIとはMIDI端子のことではなく、データ制御のための プロトコルである事を勘違いしないように
- MP3に至っては, 音楽制作の現場で出来上がった音楽の完成品を圧縮して聞くだけの フォーマットであり、音楽制作自体には何の関係もない。